ファクタリングの対象、診療報酬債権とは何か

医療機関で患者などが医療サービスを受けた際、健康保険に加入していればその料金を全額、支払う必要はありません。窓口では何割か支払い、残りの金額は医療機関が健康保険の保険者に請求することで支払われます。この、サービスの提供は終了しているにもかかわらず、支払われるまでに時間を要する診療に対する報酬のことを診療報酬債権と言います。診療報酬債権は将来的には収益になるものですが、健康保険の保険者から支払われるまではあくまでも債権と言う扱いです。

この健康保険による医療費補助の制度は、患者側にしてみれば非常にありがたい、また頼りになる制度です。しかし医療機関にしてみると、やむを得ない面はあるものの、やはり診療報酬債権が収益になるまでの期間と言うのは、できれば短縮したいものです。この期間が、時には医療機関の財政を圧迫すれば、それは患者側に提供される医療サービスの質にも関わってきます。そこでその期間を短縮できる制度として存在しているのがファクタリングです。

ファクタリングでは、その事業者が診療報酬債権を買い取ります。ただし全額買い取るわけではなく、そのだいたい8~9割前後の価格で買い取ります。そしてその買い取り価格を医療機関側に支払うと言うシステムです。ファクタリングによって診療報酬債権が支払われる期間が短縮できるため、医療機関にしてみれば財政の健全化や財務内容の整理がはかれると言うのが大きなメリットです。

銀行借り入れの際には必要な連帯保証人や担保が不要と言うのも、医療機関にとっては嬉しい点です。

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